頭の中に、黒い鳥が舞い降りる。
マドリードを駆け抜ける、スペイン発・異色の《サスペンス》ロードムービー
マドリードで老いた父と暮らすルシアは、勤め先の会社が横領事件で倒産し、大きな転機を迎える。タクシー運転手に転身した彼女を待っていたのは、個性豊かな乗客たちとの出会いだった。
ルシアは、かつて「トゥーランドット」のアリア〈誰も寝てはならぬ〉に導かれて出会った謎めいた隣人に思いを寄せていた。彼は自分を「トゥーランドット」の王子になぞらえて、“カラフ”と名乗り忽然と姿を消した。ルシアは自らを姫に重ね合わせて、いつか彼がタクシーに乗り込むことを夢見るが……。
監督は2012年に『ヒア・アンド・ゼア』でカンヌ国際映画祭批評家週間グランプリ、2017年に『ライフ・アンド・ナッシング・モア』でインディペンデント・スピリット賞ジョン・カサヴェテス賞を受賞したアントニオ・メンデス・エスパルサ。フアン・ホセ・ミリャスの原作を『リベルタード』のクララ・ロケットと共同で脚色した。また、カルロス・ベルムト監督作品『マジカル・ガール』(2014年)、『マンティコア 怪物』(2022)などで知られるAquí y Allí Filmsによる制作で、16mmフィルムで撮影されたざらついた質感とゼルティア・モンテスによる不穏な旋律が、ロマンスとサスペンスが交錯する本作の世界観を支える。主人公のルシアを演じたマレーナ・アルテリオは、ゴヤ賞をはじめ多数の主演女優賞を受賞した。そして『パラレル・マザーズ』(2021年)、『マシニスト』(2004)などで知られる名優アイタナ・サンチェス=ヒホンが共演し、圧倒的な存在感を放つ。
出演者 | マレーナ・アルテリオ、アイタナ・サンチェス=ヒホン、ロドリゴ・ポイソン、ホセ・ルイス・トリホ、マリオナ・リバス、マヌエル・デ・ブラスほか |
監督・脚本 | ファブリス・ドゥ・アントニオ・メンデス・エスパルサ |
公開日 | 2025.10.31 |
劇場名 | 新宿ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ 他 全国ロードショー! |